遺品整理でトラブルを起こさないために事前に知っておきたいポイント

1.遺品整理で起こり得るトラブル

1-1.金銭トラブル

遺品整理で最も懸念されるのが、金銭トラブルではないでしょうか。実際に、金銭絡みの問題は多いようです。
遺品整理は、要するに「形見分け」と考えてください。亡くなった方を思い出したり、心のよりどころになったりするようなものを、親族で分け合うのです。しかし、価値の高い遺品がある場合には注意しましょう。自分より誰かが得をしているのではないか、と不満に感じる人がでてくる可能性があります。
このような親族間でのトラブルを防ぐためには、どのような遺品があるのか事前に把握しておくとよいでしょう。均等に遺品を分け合うためには、全員がきちんと把握しておかなければなりません。

1-2.勝手な判断で遺品を整理してしまう

遺品は、大切な財産でもあります。ある人には不要なものであっても、別の人には非常に価値がある貴重なものである可能性があることを忘れてはなりません。特に、アクセサリー類や骨とう品、絵画などは取り扱いに気をつけてください。
遺品整理をする際には、勝手な判断でものを処分してはいけません。また、遺品を整理することも事前に親族には知らせる必要があるでしょう。連絡をしないで勝手に整理したことでトラブルに発展したケースは多く見られます。
親族がみんな集まっている中で遺品を整理するのが、理想的です。少なくとも、全員に相談をして日程などを決めるべきでしょう。

1-3.ポイントは親族とのコミュニケーション

親族間で密にコミュニケーションをとることが、トラブル回避につながります。遺品整理でもめてしまう親族のほとんどが、以前から仲が悪かったり疎遠だったりするようです。こまめに連絡をとりあっていれば、問題にならないことも多いでしょう。遺品を整理する際には、面倒でも連絡はきちんととりあってください。トラブルに発展する方が、余計にわずらわしいことになってしまいます。

2.トラブルを防ぐために遺品整理で注意すること

2-1.ゆずり先をあらかじめ決めておく

価値のあるものがあれば、トラブルが起こりやすくなると考えておきましょう。ひとつしかないものを複数の人で分け合うことは不可能ですし、話し合っても解決できない場合もあります。
おすすめなのが、本人の意志を確認することです。生存しているうちに、本人も交えた席でそれぞれの品のゆずり先を決めておくとよいでしょう。そして、リストにして全員で保管しておくことです。後になってトラブルを起こさないで済みます。同様に、遺言として遺品について書き残しておいてもらうという方法もあるでしょう。

2-2.亡くなる前から片付けをしておく

長く生きていると、家の中にものが増えていきがちです。しかも、高齢になるほど片付ける作業が難しくなります。遺品整理するときに、ものの多さに驚く人も多いようです。亡くなってから片付けるのではなく、親が元気なうちから少しずつ片付けを手伝ってあげてください。
ただし、あくまでも親の所有物です。勝手に手をつけたり、処分したりしてはいけません。よく話し合ってから、一緒に整理していくとよいでしょう。

2-3.親族間で分け合うのが基本

まれに、「遺品を引き取りたい」と故人の友人を名乗る人があらわれるケースもあります。なかには、そんなに親しくなかった人が遺品目当てに訪れてくることもあるようです。遺品は、親族だけで分け合うと決めておくとよいでしょう。そうすることで、友人や知人へ断りやすくもなります。故人の希望がない限り、親族以外の人へ遺品をゆずることは避けた方が無難です。