余剰在庫を上手に処分するコツは? 廃棄方法&注意点などご紹介

1.余剰在庫について

まずは、余剰在庫について知ることが大切です。なぜ余剰在庫を抱えると運営に悪影響をもたらすのか、問題点とリスクに関してもチェックしていきましょう。

1-1.余剰在庫とは

在庫が余分に残っていることを「余剰在庫」といいます。在庫がない状態では商品を売ることができませんが、必要でもないのに在庫があるのも良くない状態です。支出よりも収入が上まわることで会社の利益となりますが、余剰在庫を抱えていると支出のほうが増えてしまいます。近年は、余剰在庫を抱えすぎたことで倒産している会社も増えているのです。

1-2.余剰在庫の問題点・リスク

余剰在庫の問題点・リスクは、主に3つあります。それぞれの内容について一緒にチェックしていきましょう。

1-2-1.持つことで損をする場合がある

余剰在庫は持つことで損をするケースがほとんどです。原材料・製造費用など、在庫に支払ったお金はすでに失っています。たとえば、在庫金額が500万円の場合は、その分だけ失っている状態です。資金(キャッシュ)が十分に確保できていたとしても、余剰在庫が増えるほど支出が増加し、お金の流れ(キャッシュフロー)が悪くなります。売り上げ自体は伸びていても、キャッシュフローを見てみるとお金が減っていたというケースはよくあることです。

1-2-2.商品の価値が下がる

売るはずの商品をずっと倉庫に置いていると、品質が悪くなります。特に、食品の場合は賞味期限があるため、期限をすぎると売れません。電化製品・アパレル関連など期限のないものでも、時間の経過とともに価値が下がります。価値が下がる商品はなかなか売れないので、さらにキャッシュフローが悪くなる悪循環に陥るのです。

1-2-3.維持に負担がかかる

余剰在庫を持つということは、倉庫を維持するためのお金も必要になるということです。倉庫・保管・配送費用など、在庫を管理するための費用が必要になります。維持にどのくらいの負担がかかるのかというと、年間の在庫金額の約15~25%です。たとえば、1千万円分の在庫を抱えている場合、管理費用に約250万円かかります。その在庫が売れなければ、毎年250万円が無駄な経費になってしまうのです。

2.余剰在庫の処分について

それでは、いつどんなときに余剰在庫を処分すれば良いのでしょうか。

2-1.処分のタイミング

余剰在庫を抱える期間が長いほど費用がかかるため、できるだけ早めに処分しなければなりません。主な処分のタイミングとしては、在庫一掃・年末年始に行うセールです。セールは普段の値段より下げて売るため、消費者の購買意欲が高まります。セールを利用して余剰在庫を処分する会社も多いのです。
また、商品の売りどきに合わせて処分するのも方法の1つでしょう。たとえば、冬が近づくと暖房器具やクリスマス商品などシーズンものが売れます。シーズン商品をセールで売る場合は、その時期がやってくる前の時期から売りに出すと良いでしょう。たとえば、クリスマス関連商品なら10月下旬~11月ぐらいです。商品によって売りどきが異なるため、きちんと見極めてください。

2-2.処分方法について

余剰在庫の処分方法は、セールで売る・アウトレットを利用する・不用品回収業者に依頼する3つの方法があります。それぞれの具体的な内容についてチェックしていきましょう。

2-2-1.セールで売る

先ほども説明したとおり、セールで売る方法は余剰在庫処分の主流となっています。売れ行きの悪い商品を値下げして売り払うことができるでしょう。セールで売り切る場合は、どのくらい値下げしているのかわかるように、元の値段とセールの値段を一緒に記載するのがポイントです。

2-2-2.アウトレットを利用する

アウトレットは、在庫処分を目的にしている店舗を指しています。アウトレットストアが立ち並ぶショッピングモールでは、消費者は通常価格よりも安い値段で手に入れることができるのです。売れ残った商品だけでなく、通常の価格で販売できない傷ものも販売できるでしょう。

2-2-3.業者に依頼する

セールとアウトレットで売り切ることができなかった場合は、不用品回収業者に依頼して処分してください。不用品回収業者の中には、買い取りを行っているところもあります。買い取りを利用すれば、処分費用を抑えることができるでしょう。

2-3.社内で行う問題点

「費用節約のために社内で処分したら良いのでは?」と思うかもしれませんが、そのほうが余計に費用がかかる可能性があります。なぜなら、作業するための人件費で大きなコストがかかるからです。在庫の状況を確認したり、商品を運んだりするため、手間と時間もかかるでしょう。在庫処分で残業する回数が増えれば、社員は体調不良にもなり日常作業に支障が出る可能性もあります。