産業廃棄物の処理に困ったら! 3つのルールと注意点を知っておこう!
1.産業廃棄物とは何か?
1-1.一般廃棄物との区別
産業廃棄物は一般廃棄物とは区別されるわけですが、一般家庭から排出される生ごみや粗大ごみのことだけを一般廃棄物と呼ぶわけではありません。オフィスから排出される紙くずやレストランから排出される生ごみ等も事業系一般廃棄物として区別され、処理責任は各市町村が負うことになります。
産業廃棄物は事業活動に伴って生じる廃棄物のことを指し、廃棄物処理法によってその処理法が定められています。
どれが一般廃棄物でどれが産業廃棄物として区別されるかについては、廃棄物処理法によって特定されているかどうかで決まります。この法律に該当しないものに関しては、すべて一般廃棄物ということになります。
1-2.産業廃棄物の種類
産業廃棄物の中には、業種に関係なく産業廃棄物になるものと、業種を限定して産業廃棄物になるものがあります。例えば、燃え殻や汚泥、廃油、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くずなどは業種に関係なく産業廃棄物として分類され、紙くずや木くず、繊維くず等は業種を限定して産業廃棄物として分類されることになります。
そのうち、爆発性や毒性、感染性が認められ、人の健康や生活環境に悪影響を及ぼす危険性のあるものに関しては、特別管理産業廃棄物として指定され、他の産業廃棄物に比べて厳しい基準での処理が必要になります。
1-3.処理業許可について
一般廃棄物の処理運搬業には市町村の許可が必要になりますが、産業廃棄物の場合は都道府県知事と一部政令市長の許可が必要です。産業廃棄物の運搬はその廃棄物に対して許可を受けている業者が適正に行う必要があるため、処分を依頼する際は許可を受けている業者に依頼しなければなりません。
2.産業廃棄物の処理に関するルールについて
2-1.許可を受けている産業廃棄物処理業者との委託契約
産業廃棄物を個人で処理できる場合はほとんどありません。許可を受けている産業廃棄物処理業者に委託して処分してもらう必要があるわけですが、その際に「廃棄物処理委託契約書」という書類を取り交わすことになります。
この書類には、廃棄物の処理を依頼した人、依頼された人、廃棄物の内容、処理の方法、処理にかかる金額、処理をする場所、廃棄物の数、処分する期間等が書かれており、処理を依頼した側も依頼された側も必ず守らなければなりません。
もし記載されていない内容があった場合、廃棄物違反として処分の対象になってしまう可能性もありますので、必ず内容をしっかり確認しましょう。
2-2.マニフェストの交付
産業廃棄物の処分を依頼する際には、「産業廃棄物管理票」と呼ばれるマニフェストを処理業者に渡さなければなりません。もしこの内容に不備があった場合は処理業者でなく処理を委託した側に責任が生じることになりますので、必ず処理業者ではなく委託する側が書くようにしてください。マニフェストの内容が不十分だったり処理業者に渡さなかった場合は罰則が科せられることになりますので、十分に注意が必要です。
2-3.マニフェストを5年間保管
処理業者にマニフェストを交付する際には、必ず手元に写しを残します。処理業者が廃棄物の処理を終えるとマニフェストが返送されますので、写しの内容と照らし合わせてみてください。写しおよび返送されたマニフェストはその後5年間保管しておく必要がある、というルールを知っておきましょう。