ダニを退治するには? 正しいダニ対策と予防方法をご紹介

1.ダニの基礎知識

まず、ダニの種類や発生する原因などを見ていきましょう。

1-1.ダニとは?

ダニはとても小さく、肉眼で確認できない場合も多くあります。しかし、家の中では至るところにダニが発生するため、家全体でダニ対策を整えることが大切です。ダニの種類は5万種以上ですが、家の中に発生する種類が限定されています。ヒョウダニ(チリダニ)・コナダニ・ツメダニ・イエダニといった種類が、家の中では繁殖しやすいでしょう。

1-2.ダニによる影響とは?

基本的に、屋内にいるダニは吸血することが意外と少ないものです。ただし、屋内にいるツメダニやイエダニ、屋外から来るマダニは人を吸血することがあります。肌の表面からダニが吸血した場合、激しいかゆみと発疹(ほっしん)を引き起こすでしょう。

生きているダニだけではなく、ダニの死骸やフンによる影響も起こり得るのがダニの怖さです。空気中に浮遊するダニの死骸やフンなどを吸い込むことで、喘息(ぜんそく)や鼻炎などのアレルギー症状を招きます。

また、生きているダニ・ダニの死骸・フンなどと接触することが原因となり、アトピー性皮膚炎なども発症するリスクが高まるのも難点です。ダニによるアレルギー症状は、慢性疾患へ移行する可能性があるため、早期駆除が求められます。

1-3.ダニが発生する原因とは?

ダニは、高温多湿の環境で大繁殖します。また、ホコリ・汚れ・皮脂・髪の毛・フケなどがダニのエサとなるため、体温や汗で高温多湿になりやすい布団や寝具などは注意が必要です。特に、寝具や布団の繊維は産卵しやすい場所であるため、ダニの大量発生が起こる可能性が高いでしょう。ペットがいる家庭だと、同じような条件でノミも発生しやすくなります。ダニとノミの被害を同時に受けることがあるため、特に警戒が必要です。

1-4.ダニはどのくらいいるのか?

ダニは、布団の中に500〜2,000匹は存在します。高温多湿などの好条件がそろった布団の場合、数万匹に及ぶダニが潜んでいる可能性があるでしょう。普段、布団を天日干しする機会がない場合、ダニの繁殖速度はより早まります。

また、布団を掃除機で吸引する・干した後に表面を払うなどの方法を行っていない場合は、ダニの死骸やフンによる被害を受けるリスクが高いのです。また、コナダニは食品や畳で繁殖する性質を持っています。粉末食品で大量発生することがあり、誤って食べてしまうと呼吸器症状やじんましんなどを起こすので注意してください。コナダニが大量発生すると黒っぽい変色や白濁が起こります。コナダニが食品を食い荒らすことで、粉状の汚れが付着することもあるでしょう。食品を長期保管している場合は、食べる前に確認が必要です。

2.ダニの退治方法

ダニはどのような方法で退治することができるのでしょうか? ダニ駆除の基礎知識をご紹介します。

2-1.ダニ退治の基本

ダニは熱に弱い性質があり、60〜120℃の環境に数分いると死滅します。また、高温多湿の環境を好む一方、乾燥した環境では繁殖しにくくなるため、天日干しによる通気の維持などが、ダニ退治の基本となるポイントです。ただし、布団を天日干しした後に布団を叩(たた)く習慣がある場合は、軽く表面を撫(な)でる程度に抑えておいたほうが、表面に付着したダニの死骸やフンをきちんと落とすことができます。

ダニは日光を浴びると、逃げるように布団の奥へ潜り込んでしまうため、叩いてしまうことでダニやダニの死骸などが布団の繊維内で散らばってしまい、かえって被害が拡大するリスクがあるのです。布団を叩くお手入れは、ダニ退治においては逆効果となります。

2-2.掃除の重要性

室内は、常にホコリが舞っています。加えて、髪の毛・フケ・皮脂などの汚れが日々蓄積するため、日ごろからきちんと掃除を行い、ダニのエサとなる物質を取り除くことが、ダニの繁殖を抑制することにつながるのです。寝具は肌に触れるため、こまめな洗濯を行い、マットレスも定期的に持ち上げて乾かす習慣を持ちましょう。

2-3.掃除方法

ダニ駆除を意識した掃除方法をご紹介します。布団の場合、掃除機を布団用ノズルに交換し、表面をゆっくり吸い取りましょう。マットレスも同じように、掃除機かけを行ってください。ダニは暗くなると布団の表面に這(は)い出る性質があるため、掃除機をかけたら部屋の明かりを暗くし、数分ほど時間を置きます。それから、あて布をして高温度のスチームアイロンをかけてください。仕上げに、再度掃除機をかければ、ダニを退治できるでしょう。

部屋の掃除は、なるべく人の動きがない早朝や帰宅直後が適しています。床に落ちているダニの死骸・フン・ハウスダストを効率良く吸い取ることができるからです。布団掃除と同様、掃除機をかけるときはヘッドをゆっくり動かし、押し出す・引き戻す作業は、どちらも5秒ほど時間をかけるのがポイントになります。部屋の隅々まで丁寧に掃除機をかけてください。

2-4.ダニ退治のポイント

ダニ退治は、こまめな掃除と布団の天日干しによる乾燥が基本となります。掃除は少なくとも3日に1回、布団の天日干しは1週間に1回は実践しましょう。併せて実践したいのは、グッズの活用です。ダニを誘引するシートを寝具やカーペットの下に敷くだけで、繊維に潜むダニを集めて捨てることができます。ただし、有効期限があるため、薬効が切れるころに交換が必要です。

多くの製品は、3か月を目安に交換を推奨しています。また、ダニやノミなどが大量発生してしまった場合は、寝具の買い替えをしなければならないケースもあるでしょう。被害拡大を防止するため、くん煙剤などを用いて、家全体の害虫対策を実施するのも効果的です。