親の生前整理が難しい理由は? スムーズに片づけるポイントを紹介!
1.親の生前整理はどういうものか?
まずは、親の生前整理の必要性やよくある問題点・親にすすめるタイミングやポイントなどをご紹介します。
1-1.生きているうちに身の回りを整理すること
生前整理とは、生きているうちに自分の持ちものや財産など、身の回りを整理することをいいます。生前整理をしないまま亡くなると、残された家族は大量の遺品を整理しなければならなくなるでしょう。遺品整理には大変な労力と時間が必要になります。生前整理は、そうした家族の負担を軽くするために、行っておくべきことなのです。また、自分自身が老後の生活を安全で快適に過ごすためにも、身の回りを整理しておく必要があります。
1-2.親の生前整理にはさまざまな問題がある
親に生前整理をさせる上で、さまざまな問題点が出てきます。まず、遺品整理すべきだということをいい出しにくいことです。自分が死んだ後のことを考えるのは、気分がよいものではありません。「縁起でもない」と怒ってしまう親もいるでしょう。なかなか切り出すことができず、生前整理に取りかかることができないケースも多いのです。また、親がものを捨てられない性格で、生前整理がうまくいかない場合もあるでしょう。高齢者はものを捨てることに抵抗がある人が多く、気がついたら「親の家がゴミ屋敷のようになっていた」という例もあるのです。そのような状態になってからの生前整理は、簡単ではありません。
1-3.生活に変化があったときや災害後のタイミングがおすすめ
親に生前整理をすすめるタイミングとしては、生活に大きな変化があったときや災害後がおすすめです。定年や子供の独立など、生活が大きく変わるタイミングだと生前整理を提案しやすいでしょう。また、地震や台風などの災害後は親も不安になっています。「今後安心して暮らすことができるように生前整理をすべき」というように切り出すと、受け入れてもらいやすくなるでしょう。
1-4.「安心して暮らすために必要なこと」と伝える
親に生前整理をすすめるときは、言い方に注意が必要です。「安心して老後の生活を送るために必要なこと」であり、生前整理をすることで日々の生活が快適なものになることを伝えましょう。気をつけなければならないのは、ネガティブな発言をしないことです。「部屋が汚いから何とかしろ」「ゴミ屋敷みたいだ」などといわれると、親も後ろ向きな気持ちになってしまいます。
2.親の生前整理でやるべきこと
親の生前整理をすすめる流れやポイントをご紹介しましょう。
2-1.まずは生活動線上の片づけを
生前整理を始めるにあたって、「どこから手をつけたらよいのか分からない」という人は多いでしょう。おすすめは、まず生活動線上の片づけから始めることです。普段の生活で使用するスペースから危険なものを取り除き、スムーズに生活できるようにしていきましょう。そうすることで、「生前整理をするとこんなに生活が快適になる」ということが理解でき、片づけるモチベーションが上がるはずです。
2-2.生前整理をすすめる4ステップ
生前整理の基本的な流れは以下のとおりです。
- 明らかなゴミを捨てる
- 家の中のものを「必要なもの」と「不要なもの」に仕分けする
- 不要なものを処分する
- 残すものを安全で使いやすい場所に収納する
2-3.家族も一緒に片づけを
片づけは家族も一緒に行いましょう。生前整理には大変な労力と時間が必要です。親が一人で片づけるのは体力的にも精神的にも難しいものがあるでしょう。途中でモチベーションが下がり、挫折してしまう可能性があります。前向きな気持ちで片づけができるように、手伝う気づかいを見せることが大切です。
2-4.ものを捨てる最終判断は親に任せる
ものを捨てるときの最終判断は、必ず親に任せるようにしてください。ゴミのように見えるものでも、親にとっては大切なものである可能性もあります。勝手に処分してしまうとトラブルに発展する恐れもあるため、十分注意しましょう。親が「捨てたくない」といったものは、無理に捨てないようにしてください。
2-5.業者への依頼も一つの方法
生前整理を業者に依頼するケースも増えてきています。もちろん、費用がかかる点はデメリットでしょう。しかし、家族だと「捨てる」「捨てない」でもめ事になるような問題も、第三者が処分するとなればあきらめがつきやすいものです。スムーズに生前整理をすすめる一つの方法として、検討してみてはいかがでしょうか。