椅子と集中力の関係は? 集中力がアップする椅子選びのポイント

1.椅子と集中力の関係は?

まずは、椅子と集中力の関係についてチェックしておきましょう。

1-1.ダメな椅子は1時間で体が痛くなる

デスクワークや勉強で長時間椅子に座るという方は多いでしょう。たった1時間しか座っていないのに、すぐに体が痛くなったり、おしりがつらくなったりするものです。座ってからすぐに体が痛くなるのはダメな椅子が原因になっている可能性があります。痛くなる原因は、体重がかかる部分に偏りが発生してしまうからです。逆に、痛くなりにくい椅子は椅子にかかる体重を広い面積で受け止めることができるため、体にかかる圧を分散することができます。体が痛くなると集中力が低下してしまい、ダメな椅子=集中力が低下することになるわけです。

1-2.体に合っていない椅子は悪い姿勢を引き起こす

椅子と集中力はとても深いかかわりを持っています。自分の体に合っていない椅子は悪い姿勢を引き起こしてしまい、その結果、集中力の低下につながるでしょう。たとえば、いつも背中が丸くなったり、長く座っていられなくなったり、集中力がすぐに途切れたりしていませんか? それが悪い姿勢につながり、子どもでも腰痛や肩こりに悩まされることになってしまうのです。姿勢が悪くなると背中が自然と丸まり、肺に多くの空気を取り込めなくなってしまいます。脳への酸素供給も減ってしまい、集中力が下がるでしょう。

1-3.集中力・効率性・パフォーマンスが大きく左右される

前述したように、椅子は集中力と大きく関係しています。集中力だけでなく、効率性やパフォーマンスも大きく左右されることになるでしょう。実際に、壊れた座椅子をもったいなく感じ使い続けていると、集中力が極端に削(そ)がれてしまったというケースもありました。壊れた椅子に座り続けたことで体の軸が乱れてしまい、腹圧のバランスが狂ってしまった結果です。腹圧が弱い人ほどぽっこりしたおなかになるだけでなく、神経が圧迫され背骨が曲がってしまいます。内臓の位置に歪(ゆが)みが出てしまうという身体的な健康にも大きな被害をこうむることになるでしょう。

2.集中力が上がる椅子選びのポイント

それでは、集中力が上がる椅子選びのポイントをいくつか紹介します。

2-1.座面の硬さ・形状

椅子選びの際は、座面の硬さと形状に注目することが大切です。座面はおしりをのせるところで、クッション性に影響を与えます。座面がやわらかいほど体の形にフィットして体圧を分散させることができるでしょう。けれども、やわらかすぎると逆に体勢が不安定になり、余計に疲れてしまいます。そのため、座面の硬さは適度な状態のほうがベストです。また、形状はフラットなタイプよりも体型に合わせてゆるいカーブがついている椅子のほうが優れています。おしりと座面の設置面積が多く、ゆるい曲線になっているかチェックしてください。

2-2.背もたれの形状はS字カーブが理想

背もたれがどんな形状になっているかも、椅子選びの大きなポイントです。できれば、実際に座ってみて、背骨が正しい姿勢で着座できるか確認してください。また、横から見たときにS字カーブを描いているような椅子が理想的だといわれています。背もたれの形状がS字カーブにフィットするため、正しい姿勢がキープできるというわけです。さらに、背もたれは首または頭部までの高さがあるものが優れているでしょう。中には、背もたれのS字カーブが調整できる椅子もあるので、さまざまな種類を比較してください。

2-3.肘掛けの効果は抜群

椅子には肘掛けがあるものとないものがありますが、長時間座ることが多い場合は肘掛けタイプを選んだほうがいいでしょう。肘掛けがあると腕の重さを支えてくれるので、体圧を減らすことができます。つまり、体にかかる負担を減らすことができるというわけです。肘掛けは疲労防止の役割を持っているため、受験勉強に最適な椅子を探したり、長時間のデスクワークをしたりしている人におすすめの椅子といえるでしょう。受験勉強で少し疲れたときには、肘をついてリラックスすることもできます。

2-4.座面高の調整ができるか

自分に合った椅子を選ぶためには、座面高の調整ができるかをチェックしてください。ほとんどの椅子は、座面の高さを調整できる機能がついているはずです。座面の高さは長時間の勉強に疲れないための重要な役割を担っているといえるでしょう。疲れない座面高としては、膝と足首が90℃になっている状態の高さです。膝と足首が90℃になるように座面高が調整できる椅子を選んでください。足に地面がつかないときは、足の裏にバスタオルなどをたたみ足を安定させると疲れにくくなります。

2-5.座奥行きの調整ができるか

座面高と同じく、座奥行きの調整ができるかも要チェックポイントです。浅く座ってしまうと耐圧がかかる面積が狭くなりおしりが痛くなりやすくなりますが、座ったときに膝裏と椅子の距離が6~8cmの状態なら疲れにくくなります。深く座ればいいというものではないため、自由に調節できる椅子を選ぶのがポイントといえるでしょう。調整機能がついた椅子は割高になりますが、集中力を高めるためには必要な要素です。