3Dプリンターを買取に出す方法とポイント〜高額査定のコツも紹介〜
1.3Dプリンターの種類は?
最初に、3Dプリンターの主な種類や目的・用途・メリットについてチェックしておきましょう。
1-1.家庭用と業務用
3Dプリンターを大きく分けると、家庭用と業務用の2種類があります。家庭用と業務用の大きな違いは、性能と値段です。家庭用の3Dプリンターはコンパクトサイズかつ低価格で購入できます。フィギュアの作成など、趣味として購入する方も増えているようです。一方、業務用は家庭用と比べて値段や完成度の仕上がりが大きく高くなります。ミドルクラスだと250万円以下、ハイクラスだと250万円以上かかるでしょう。趣味として使うなら家庭用で十分ですが、商品として売るのであれば業務用のほうが最適です。
1-2.5種類の方式
3Dプリンターをさらに細かく分けると、光造形方式・インクジェット方式・粉末燃結方式・熱溶解積層方式・粉末固着(接着)方式の5種類の方式があります。それぞれの特徴は以下のとおりです。
- 光造形方式:3Dプリンターでは定番の方式で、液状の樹脂に対して紫外線を当てる。液体樹脂を使用しているため、複雑な造形も高精度な作成が可能。ただし、仕上がりまでの時間がかかり、材料費が高い
- インクジェット方式:プリンターの印刷方式を応用したもの。インクジェットヘッドから噴射した樹脂を紫外線で固めながら積層して作成。スピーディーな作成が可能だが、耐久性が低いのがデメリットに
- 粉末燃結方式:粉末状の材料にレーザー光線を当てて焼結させる方式。金属製の立体物も出力できるのが大きな特徴だが、表面がザラザラした仕上がりになってしまう
- 熱溶解積層方式:プリンターヘッドから溶けた樹脂を押し出しながら積層する方式。コストパフォーマンスに優れているが、精度や仕上がりが粗い
- 粉末固着(接着)方式:石膏(せっこう)などの粉末材料を敷き詰め、ヘッドを移動させて接着剤を吹きつけて固める方式。フルカラー造形ができるが、衝撃に弱取り出しやすく壊れやすい
家庭用では安価な熱溶解積層方式が主流となっており、業務用は光造形方式・インクジェット方式・粉末固着(接着)方式が使われているケースが多めです。
1-3.さまざまな分野で活躍している3Dプリンター
3Dプリンターは、さまざまな分野で活躍しています。主に、フィギュアといった製品試作で使われるイメージがありますが、建築・建設模型・治工具・記念品・オーナメントなど、多種多様です。それぞれの分野で3Dプリンターがどのように使われているのか、下記にまとめましたのでぜひ参考にしてください。
- 試作:製品の感覚や肌ざわりを確認したり、外観イメージや構造を確認したりする
- 型:小ロットの量産品原型や型に利用する
- 機構確認:可動域のある製品の動作検証・確認、パーツのはめ合い確認などに使う
- 建築・建設模型:建築物の完成見本や躯体(くたい)の構造確認に使用する
- 治工具:精度と微細性によって治工具を一度に同じ精度で造形する
- フィギュア・記念品・オーナメント:写真を立体出力するなどの記念品作成・3Dスキャンした人物の出力などを行う
1-4.3Dプリンターを使うことで得られるメリット
さまざまな分野で3Dプリンターが活躍しているのは、使用することで得られるメリットがたくさんあるからです。主なメリットとしては、以下のようなものがあります。
- 開発期間・コスト削減
- 新しいアイデアの創出
- 設計品質の向上
- 今までない形状が実現可能に
- セキュリティーの確保
外注に依頼している試作を自社で作ることで、開発期間とコストが削減できるほか、思いついた作品やアイデアをすぐに形にできるのは大きなメリットです。また、手軽に造形できるため、細かい形状や動きの確認が簡単になり、設計品質の向上にもつながるでしょう。さらに、データを持ち出す必要がないのでセキュリティーの確保はもちろん、今まで実現できなかった形状でも、3Dプリンターを使えば実現可能となります。
2.3Dプリンターの買取事情
ここでは、3Dプリンターの買取事情について説明します。
2-1.中古市場における需要は高まっている
前述したように、3Dプリンターはさまざまな分野で活用できることから、企業や工場でも積極的に使われ始めています。業務用だけでなく、家庭用の3Dプリンターも種類が増えてきているように、趣味として気軽に使用したい人も増加中です。そのため、どんどん中古市場における3Dプリンターの需要が高まっています。家庭用といっても3万円以上するものがほとんどなので、気軽に購入できる中古を求める方が多いのでしょう。中古市場の需要が高まっているからこそ、まだ使える3Dプリンターは買取に出したほうがお得です。
2-2.業務用であるほど高価買取が期待できる
家庭用の3Dプリンターも買取先が多くありますが、業務用かつ高性能のタイプであればあるほど高価買取が期待できます。業務用3Dプリンターは、元値が数百万円もするため、買取額もそれなりの値段がつけられるでしょう。一方、家庭用プリンターは5万円以上するものよりも、2~3万円程度で購入できるモデルに人気があります。初心者から経験者まで幅広く使用できる、低価格で高性能なプリンターは人気がある分、高価買取が期待できるでしょう。
2-3.正常に稼働できるかが買取のポイント
高性能でまだ数回しか使っていない3Dプリンターでも、買い取ってもらえるかは稼働状態で決まります。人気があるモデルかつメーカーであっても、正常に稼働できなければ買い取ってもらえません。問題なく正常に稼働できるか・3Dプリンターとしての機能がきちんと動いているかなど、最初に査定スタッフは状態をチェックすることになります。そのため、査定を依頼する前に、自分で3Dプリンターの状態を確かめたほうがいいでしょう。特に、長く使っていなかったものは稼働が不安定な部分もあるはずです。きちんと動くかどうか試してから査定に出してください。